大学院ってどんなところ?
海外の理学療法士と肩を並べるためには必ず通らないといけない道
大学院には興味あるけど,なんか難しそうで自分には無理…
興味はあるけど,行き方がわからない‥
やっぱりめんどうだからやめた・・
そんなこと言ってられるのも,今のうちですよ!
日本にみたいに3年制の教育で理学療法士になれるなんて国なんて殆どないんです。
将来のために行ってみたいけど,何をしたらいいかわからない。
そんな大学院に興味があるかたもいるかと思います!
平成29年4月に大学院に入学した「北海道理学療法士_カズ」が大学院の入学までをレポートしたいと思います
大学院に入学してからゆっくり研究を考えようって思っている方が多くいるかも知れませんが,大学院生活は2年間しかありません。ましてや,社会人として病院に勤務しながらの2年は
”2年しか”ないのです。
大学院修士の取得に向けた計画は入学前ましてや受験前から始まっています‥
以下に私が大学院の入学に至った経緯と入学までについて経験談を紹介します
大学院受験
なぜ私が大学院に進学しようと思ったか?
きっかけの1つは,2014年9月(理学療法士6年目)に筋膜治療の講習会の最終段階である,イタリアで開催された「内部機能障害に対する筋膜治療」に参加したことがきっかけでした。
世界で初めて,正規の講習会として開かれた「筋膜と内部機能障害」の講習であったため,世界各地で筋膜治療の最前線で治療を行っている人たちばかりでした。
日本人は4名で参加しましたが,圧倒されながらも講習会は新たな知見の宝庫でとても有意義な会でした。
イタリアの講習会ではランチタイムは受講生と講師全員でレストランを貸切にして,8人一組くらいのテーブルで一緒に食事をしました。
その時参加していた受講生たちは目を輝かせて他国の理学療法士たちと「筋膜」についてディスカッションをしていました。
「私は〜〜筋膜について研究している。」
「私は筋膜の〜について研究している。」
「鼠径靭帯の高密度化は排尿障害と関連があると思うんだけどどう思う?」
そんなランチをしている中,他国の理学療法士から質問を受けた。
イタリア人女性
あなたは日本で何をしているの?
私はうまく答えることが出来ませんでした。
英語が堪能でないからではなく,ストレートな海外のPTの質問に対し,胸を張った答えが出なかった…
人に話すほど特質した「もの:知識や研究,技術」をもっていなかったからです。
私は,筋膜の治療については日本の中でも最前線でやってきたつもりでした。
しかし、他国の最前線でやってきている人からしたら、「最前線でやってきた。」ということは「何かをやってきた結果」であり,「自分が何かをしている」わけではないのでした。
また,世界の理学療法士は臨床と研究をどちらも重視しており,日々の臨床で疑問に思ったことは研究を行ない解決している。
そして,指導者に立つ者(講義をしたり,講習をしたり)として,Master(修士)やDoctor(博士)を持つことが最低条件であり,それが世界の理学療法士最低基準であることを肌で感じました。
そして帰国後‥
イタリアでの研修を終え,最新の筋膜治療の理論を日本に持ち帰ったとき
私は思いました。
しかし,私には人に「筋膜」についての知識を伝えていくための「証明書:免許ではなく,人にものを伝えるための能力,知識,知見」がなかったのです。
だから私は
それは,技術力だけではなく”知識量,名声”をもつけていかなければならない。
筋膜マニピュレーションLevel3に参加しただけで筋膜のことを極めた!なんてダサすぎる。
しっかりと,筋膜について人に物を伝えていくには,講習会の伝達のような伝言ゲームではなく,自身の研究を行わなければだめだ!
しかしながら,いざ「筋膜の研究」を行なうにも,「世界に物を出していくような論文の書き方」についてのノウハウが無かっため‥
2016年に「来年の大学院入学のために受験しよう!」と決めました。
しかし…!!
思い立ったのは,時期的に実に遅く,このは枯れる10月。
国公立の大学院の受験は大体7月〜8月の夏季に行われます。
ですから私は,私立大学の大学院に進学することに決めました。
私の中で大学院の学校選びにはいくつかのポイントが有りました。
1指導教官が医師である。
2解剖学実習ができる。
3大学院の授業がしっかりある。
4働きながら通うことができる。
5筋膜の研究ができる。(最も重要)
上記の5点全てに当てはまる学校が幸い北海道にありましたので決心しました。
みなさんも,色々と大学院を決めるポイントがいくつかあると思います。
それは皆さんが何がしたいか?で探してみるといいでしょう。
それでは,私の例をとって説明していきましょう。
「大学院にはどのようにして受験するのか?」
今までの話を踏まえ,私の例をとりますと
と思うときに,おそらく頭の中には
はてな
どんな研究がしたいのか?
どんな分野に関わりたいか?
大学院で何がしたいのか?
そこで,まずさいしょにしなければいけないこと。
それは,
ポイント
学校選びと教員探し
です。
25才男性
「〇〇大学の〇〇科の大学院に行きたい!!」
などといっても,その学校に
「自分がやりたい分野の内容を指導できる指導教員」
がいなければ,入学することは困難です。
ですから、まずやらなければいけないことは
ココがポイント
「自分のやりたい分野,やりたい研究を指導できる教員を探す」
大学院はそこから始まります。
先程も述べましたが
自分は「筋膜に関する研究」をしたかったのですが,残念ながら北海道で筋膜を研究している指導教員はいませんでした。」
残念ながら,日本中を探しても「本当に」筋膜を研究している人はいませんでした。
ですので,少し変化をつけて探してみました。
そして,教員の所属する大学院研究科の「カリキュラム」「学費」「授業形態」「社会人入学の受入状況」などの情報を教員や実習生から聞きました。
その内容を何度も吟味し,他校とも比較し,
と思えば…「学校の決定です!」
しかし!
「学校が決まった!」っと言って受験ができるわけではありません‥
何をするか?
ココがポイント
指導してほしい教員に対して,直接E-mailを送りアポ取りを行なう
アポ?
なんの?と大学院に馴染みのない人からすればそう思う方が多数いると思いますが,おそらく理学療法士に限らず「どんな分野どんな職種の」大学院に進学しようとも通る道だと思います。
自分は大学院でどんな研究がしたくて,その指導教員に指導を頂けるかどうか?プレゼン(面接)を行なうアポ取りを行ないます。
私の場合は,「筋膜」という分野は北海道で研究がされていなかったので,実際に自分がやりたい研究が本当にできるのかどうか?
プレ実験をプレゼンの際に行ないました。
指導教員からは
「もし全く出来なそうなら,また来年受験するまでに考えてください。」
と言われておりましたが,無事に実験が成功し指導して頂けることとなりました。
どうしてこんな手間のかかることを受験前にしなければならないのか?
それは
ココに注意
受験のための「受験申込書(出願用紙)」に「入学後に指導をしていただく予定の教員の判子」が必要
「入学後にこの学生の研究を指導します。」という証明書が出願用紙に含まれるためにこのような手続きが必要になります。
出願用紙に指導教員からの判子をいただければあとはもう簡単!
これが,大学院受験までの道のりです。
意外と大変なんですね〜
これから大学院受験を考えている皆さん!
修士課程は世界の理学療法士の最低基準です。
よく,大学院は行く必要がない。と大学院に言ったことがない理学療法士たちがいいますが.
それは,偏見と固定概念です。
海外の理学療法士の二言目はマスターなの?ドクターなの?です。
なんちゃって理学療法士ではなく「理学療法士」になるためには,まず最低基準からクリアしましょう!
自分たちが「なんちゃって」と思っていなくても,海外の理学療法士は日本の理学療法士を「なんちゃって理学療法士」と思っています。(体験談:(泣))