こんにちは,国際運動器徒手理学療法士(OMT:Orthopedic Manipulative Physio Therapists)とFascial Manipulation®Specialistそして博士課程のトリプルライセンスの取得を目指す.
北海道の筋膜調整セラピスト,筋膜研究家
北海道の理学療法士_カズ です。
理学療法士になってから,必ずと行っていいほど「教えてください!!」と言われるのが【触診】
美容師では髪の毛を触る。
大工が木を触る。
それと同じくらい重要なのが,【理学療法士の触診】
人の体の中には,【筋肉,靭帯,筋膜,関節包,血管,神経,リンパ‥】理学療法士が触り分けをしなければいけないものはとてもたくさんあります。
健常者の触診ができれば,日々の臨床で【患者に起きている体の異常】が理解できる。
逆に言えば,何気なく触っているその瞬間に,異常を見逃しているかもしれない。
触診が出来なければ,患者が痛いと言う場所が【何なのか?】がわからない。
触診が出来なければ,なんとな~くのリハビリになってしまう。
理学療法士にとって,とても重要な学問。そして基礎技術です。
なんで私が触診を教えるようになったか?
そう。触診を母校で教えるようになったのはかれこれ4年くらい前の話。
当時私は,3,4年生の臨床実習後のサマリー発表会の【アドバイザー】として学生のサマリー発表に参加していました。
当時から,母校で行われていた運動器,整形外科的な理学療法の授業に対して臨床の理学療法士として,色々と意見を言っていました。
私の病院は,多くの学校から臨床実習の学生を受け入れているので他校での授業内容やカリキュラム,そして学生の技術レベルが色々とわかっていました。
その中でも,私の母校は極端に,局所的な技術(触診,徒手療法)が備わっておらず,大雑把な技術(トランスファーや歩行介助,ADL訓練,関節可動域訓練)のみで実習を乗り越えていました。
それには,いくつか理由がありました。
母校の問題点
1.学校開設当初(ちなみに私は5期生)から,運動器に携わる教員がいなかった。
2.新任で入った,運動器の教師はスポーツ整形で働いており,徒手技術がなかった。
3.そもそも,母校の教員たちはマニュアルセラピーを特殊な手技と認識し,私もそう教わった。
ココがダメ
一番の問題は理学療法士の基礎である触診の授業が【歯科医】が教えてた。
そうです。
私は学生時代,触診を【歯科医】から教わりました。
その内容も,触診のデモンストレーションもなく,ただただ教科書を音読しながら,触ると言った
【ほぼ自習】のような授業でした。
私も学生でしたので,その当時は不信感もなく「こんなもんなんだ。」程度にしか思っておりませんでしたが,いざ理学療法士になったときに現実を理解しました。
「触診が出来ないと,何もわからないじゃん!!」
なので,理学療法士1年目となり,必死で勉強をしました。
とてもとても苦労しました。
幸い,私の勤務病院は日本全国にわずかしかいないOMT(国際運動器徒手理学療法士)が3名もいたので,良い見本がいました。
その見本のおかげで,理学療法士としての知識・技術の基準線がわかりました。
そして,私も5年ほど前からOMTのカリキュラムに参加することとなり,さらに徒手的技術をみにつけました。
触診の講習会等でもアシスタントとしてかかわらせていただくようにもなってきました。
そんな4年前の春,例年通り臨床実習指導者として母校の実習生を受け入れていた時。
衝撃を受けました。
学生との何気ないフィードバックの会話の中で
その後,母校の後輩たちを助けてあげたい。と、
母校の教員たちに,必死のプレゼンをしました。
ということから,私の触診の授業が始まりました。
はじめはわずか2コマからしか授業がいただけませんでしたが,学生のウケもよく
といって頂けるようになり,今では6コマの授業を頂いて【触診】の授業をさせていただいています。
また,私の授業では【触診】だけを教えるのもつまらないので,ちょこちょこ学生への公開治療をしたりしているうちに,【運動器疾患の評価と治療】として【モビライゼーション】の講義などもさせていただくようになりました。
自分が学生時代に思い描いていた,運動器の評価から治療までを学ぶ授業を
母校で実現することが出来ました。
私が母校で作った教科と運動器治療の流れ
3年生秋:触診
(6コマ)
3年生冬:運動器の評価と治療【モビライゼーションと運動器評価概論】
(4コマ)
4年生夏:レッドコードによるトレーニング
(5コマ)
少し、時間はかかりましたが理学療法士の卵たちに理学療法士として世界基準を植え付けることが出来ました。
授業の中では,私が今まで経験した経験談や世界の理学療法士の現状。他校の様子など色々な情報を植え付けています。
そんなこんなで,また明日,母校の新3年生の私の授業が始まります。
明日から来年まで続く私のショートカリキュラム。
学生と一緒に成長できればと思います!
私が非常勤講師や講習会で講師を続ける理由
私は北海道の理学療法士たちは特殊な人格を持った人たちが多いと感じている。
閉鎖的で仲間意識が強く,よその者を排除的に扱う。
そして,道内完結型であまり道外には出たがらないため【井の中の蛙大海を知らず状態】
私はそんな,蝦夷産の理学療法士を作ったのは「道内のビンテージ理学療法士」の責任だと感じています。
「自分たちは基礎をしっかりしている。」「やっていることは世界基準だ!」とビンテージ理学療法士は口々に言います。
それは,北海道の理学療法士の歴史として,海外から理学療法士文化を持ち込んだ先生が北海道の理学療法士の大学で教壇に立ち,その先生を師として学んだ30年前の理学療法士たちが,現在北海道の理学療法士を仕切っているからです。
私も彼らのことはすごいと思います。
しかし,ある一部の領域(分野:徒手療法)に関してだけです。
私は今まで,道外に出たり,イタリアに行き他国の理学療法士ともたくさん交流をしてきました。
今でも週に2〜3回は道外に出ています。(今週末も東京です、)
そうやって,道外に出てみると,
【北海道の理学療法士の凄さ】
もそうですが,
【北海道の理学療法士の頭の硬さ,そして視野の狭さ】
も多く感じています。
くり返し言いますが,私は北海道のビンテージ理学療法士たちは尊敬しています。
しかし,時間は息をするだけでも進んでいます。
そうです。北海道の理学療法士達は新たなステップに進むべきだと感じています。
でも,私の力では現状の理学療法士たちの思考を変えるのは困難。
だから,学生たちに,
【古き良き歴史】と【未来】を伝えています。
北海道はまだまだ成長します!
ということで,臨床と教育の架け橋になりたい。
理学療法士の可能性を見せつけたい(公開治療などで)ということもあり,臨床家の非常勤講師として今の仕事を続けています。
このブログもそのために続いています。
北海道の理学療法士で14年もブログが続いている理学療法士は私しかいません。
「北海道の理学療法士」で検索すると北海道理学療法士協会よりも上位に検索されることもありました。
今後も私はより多くの北海道の理学療法士のために情報提供していくことでしょう!