こんにちは,Fascial Manipulation® Specialist試験で日本トップ成績の点数でおさめて合格した
筋膜調整セラピスト兼 筋膜研究家
北海道の理学療法士_カズ です
なぜ研究計画書が必要か?
大学院に入学するために作成すべき書類
「研究計画書」
大学院に入学してから作成すべき書類
「研究計画書」
入る前も,入ってからも,必要になるこの書類。
いわば,大学院での生活がこの書類に詰まっていると言っても過言ではないかと言っても言い過ぎではないです。
大学院生活の2年間は授業もありますが,殆どの時間が修士論文のための話し合いや実験,論文作成に使われます。
そして,この「研究計画書」は修士論文を書くための実験をどのような計画で進めていくのか?というのをまとめたものになります。
大学院で研究を行うには,みなさんも色々な理由があるかと思います。
そもそも<修士>という学位が欲しい人
臨床の疑問を研究したい人,興味ある分野を深めたい人。
色々と理由があると思いますが,一番忘れてはいけないことは大学院は ”2年しか” ないということです。
”2年もある” と思っていたら,おそらく2年で卒業はできないでしょう。
卒業するには「修士論文」作成しなければいけません。
「修士論文」を作成するためには,実験を行わなければなりません。
実験を行なうには「倫理委員会」に審査してもらわなければいけません。
審査が終わるのに数ヶ月かかる場合もあります。
実験にはそれなりの対象者が必要です。
実験を始めたはいいけど,すでに自分の実験は他の人に行われている可能性もあります。
そのためには,論文をたくさん読み込まなければなりません。
英語の論文を一本読むためにあなたはどれくらいの時間がかかりますか?
そして,おそらくそれらを皆さんは理学療法士として働きながら行わなければなりません。
2年と言っても,仕事が終わったあとのアフター6での2年間。
大学院の授業の課題が出ることもあるでしょう。
だから,2年というのはあっという間なのです。
ですから,研究を始めるためには圧倒的に準備が重要です
その準備した内容を書くのがこの「研究計画書」になります。
もう一度いいますが,大学院は【研究計画書】がすべてです。
研究計画書の中身とは?
それでは,研究計画書には何を書くのか?を説明していきます。
①現在までの研究状況
ここには,これまでの研究の背景,問題点,解決方策,研究目的,方法,特色と独創的な点について当該分野の重要論文を用いて記述する事が必要です。
自分のやりたい研究の歴史的背景,例えば「昔はこんな実験がされていて,最近はこんなことをしている。」など,そして「その研究にはどんな問題があったか?」それは「どのような手段で解決できるのか?」そもそも,なぜその研究が必要なのか?などの現在までの世界での研究状況を記載します。
修士論文を作成するにはただただ自分がやりたい実験方法をやるわけにはいけません。学術的な根拠が必要です。「なぜ,あなたがこの研究をスべきなのか?」
②これからの研究計画
ここでは,①述べた研究状況を踏まえ、これからの研究計画の背景、問題点、研究の意義、解決すべき点、着想に至った経緯等について参考文献を挙げて記入します。
a 研究背景
b 研究目的,内容
ここでの研究内容はすでに詳細な記載が必要です。
「研究目的」「研究仮説」「研究方法」「測定機器について」「何を比較するのか?」「施行課題は?」「ど
うやってデータを算出するか?」「データの解析方法は?また,何を使うか?」「使用統計は?」「どのよ
うな計画で何を明らかにするか?」「予定する対象者の数は?そして,その統計学的な根拠は?」
c 研究の特色,独創的な点
修士論文で行う研究の独創的な点,研究終了後の世間へのインパクトや研究の位置づけは?
d 人権の保護,法令等の遵守の方法
どのようにして対象者を集めるのか?
集めたデータはどのように扱うのか?
安全性の配慮は?
どのようなインシデントが予測されるか?<倫理審査の際にも重要>
そのインシデントの際にどのように対処,保証するか?<倫理審査の際にも重要>
e 引用参考文献
海外雑誌に投稿したいなら,できるだけ英語論文
これらの内容を研究計画書に記載します。
どのような研究をするか?というものをゼミの先生以外の大学の先生に発表する会です。
1度実験を始めてしまうと後戻りはできません。大きな穴が実験開始後に見つかれば,また一人から計測し直しです。
最後に
最後に大学院(修士)に入学した際(卒業するための)のアドバイス。
大学院(修士)は研究の内容は求められていません。
大学院(修士)は実験を行ない論文を作成するまでの手順を評価されます。
論文の内容ではありません。
ですので,いかに迅速研究を行ない,あとでミスが見つからないようにすることが重要です。
研究へのこだわりは必要ありません。
他の先生との争いも必要ありません。
こだわりや争いは時間を失います。
どんなにこだわろうが所詮【修士】です。
こだわりは【博士課程】までとっておいてください。
修士は2年で卒業することが重要です。
途中で長期履修があるから大丈夫。なんて思ってはだめです。
半年伸ばそうが,1年伸ばそうが,はじめから2年以内で終わらせることを考えていないと,半年や1年では足りないことが多々あります.
3年,4年なんて到底モチベーションを維持できません.
それに,3年,4年掛けて作った研究も,何度もいいますが所詮修士課程です。
2年で終わらせれるものは2年で終わらせましょう。2年延長するぐらいなら,博士課程に進学したほうが自分のためです。
ココがポイント
研究計画書は入学前から取り掛かる。
変なこだわりやプライドは捨てる。
準備には時間を惜しまない。
研究当初の目的を見失わない。
実験が始まったら,修士論文(本番)の【背景】【方法】に取り掛かる
発表会や提出物の提出締切は逐一チェックする。
統計も方法も指導教員に頼らず全て自分で考える(教員は「こうしなさい。」と言ったことを忘れる。)
↑あとで取り返しのつかないミスが起こる。(最終的に「自分の研究なんだから自分で考えろ。」となる。)