Ⅰ.問診
a. 症状の機序は?(外傷?過用症候群?)
外傷→外力による組織の損傷の可能性
過用症候群→アライメントの不良や機能障害による不良姿勢による動作の繰り返し
→既往歴や症状部位以外の状態の確認も重要
b.症状は身体のどの部位か?(指でさせるか?それとも,手のひらで握る感じか?)
指で指せる→局所的な機械的刺激による痛みの可能性
手のひらで握る仕草→広範囲な炎症やデルマトームなどの神経絞扼障害などの可能性
c.痛みを引き起こす具体的な運動または生活動作はなにか?
痛みを引き起こす明確な運動などがあれば,そのときに何が起こるかを予測する。
(筋の伸張による痛み?収縮による痛み?関節の圧迫?または離開?など)
d.問題はどれくらい長く経過しているか?
障害の期間を聴取することで,病期などが知れる。
e.問題は以前にも経験しているものか?
過去のもの再発であれば,問題はもっと過去に遡る必要があるかもしれない。
f.痛みもしくは症状の強さ,頻度は増悪しているか?
昨日,一昨日よりも更に評価日が痛いのであれば,評価や治療は継続すべきではない。
症状が安定しておらず,理学療法士により症状を悪化させるリスクが強い
症状は右肩下がりになり始めるまでは,安静を促す。
g.痛みは持続性か?周期性か?もしくは特定の動きで起こるか?
痛みの質を聴取することで,姿勢性のものであるのか?運動性のものであるのかがわかる。
姿勢性であれば,椎間板性や抗重力筋の持久性などに問題があるかも?
運動性であれば,収縮性組織や非収縮性組織に関連する痛みの可能性がある。
h.痛みは安静時に出るのか?活動、または特定の姿勢で出るのか?
安静時に痛みが出るのであれば,関節の不安定性や悪性腫瘍,消化器系などが予測される。
運動している方が楽などの訴えは関節不安定性の特徴。
関節不安定性を持つ方はじっとしている方が辛い。
i.患者の感覚はどうか?どこかの領域に異常感覚はあるか?
神経系の絞扼障害の有無など,
j.失神、気絶などは?膀胱機能は?めまいや冷や汗などは?
交通事故後の歯突起骨折や翼状靭帯断裂などの延髄圧迫症状や椎骨動脈閉塞症状
自律神経症状や内耳や血管性のめまい症状など
そもそもリハビリの対象かの判断の評価をまずするべき。
>k.四肢の変色や爪,胼胝などの状態は?
栄養状態や血流,荷重のかけ方などもわかってくる。
l.慢性あるいは全身疾患を患っていないか?
m.鎮痛剤、ステロイドやその他の薬剤の使用やまたその期間は?
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整形外科の評価の基本を学びたい人向け。 当記事では、「どんな本を買っていいかわからない。」や、「アドバイスしてもらえる人がいない。」という人のために運動器疾患の理学療法士評価基礎をまとめました。理学療 ...
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