筋膜マニピュレーション®とは?
筋膜マニピュレーションとは,イタリア人理学療法士 Luigi Stecco氏が1987年から体系化された,Fascia(膜・筋膜組織)組織を対象組織の中心とした徒手理学療法であるFascial Manipulation®の日本語名です。ですので,Fascial Manipulation®と筋膜マニピュレーションは同義語となっています。日本では新しい手技という認識があるかと思いますが,実はイタリアでは体系化されてから30周年をむかえた徒手療法となります。
1987年にLuigi Stecco氏によるはじめての書籍「Myofascial sequences amd acupuncture meridians:神経ー筋膜配列と鍼術経路」この本の中でStecco氏は,
”同方向性の筋は順次にそれを覆う筋膜に挿入している。”
とし,そして神経ー筋膜配列と鍼術経路との間に相関があることを肯定している。
また,1990年には「Ⅱ Dolore e le sequenze Neuro-Mio-Fasciali:神経ー筋膜単位の概念」の書籍にて,筋膜の固有受容器への関与の仮説をたて,”筋膜の生理学は,経穴と対応する協調中心(CC)をもつ筋膜単位と関係する。と報告をしました。
そして1996年に「LA MANIPOLAZION NEUROCONNETTIVALE」にて6つの筋膜単位(MF UNITS)は身体の14文節を3つの面上で動かすと定義し,各筋膜単位は「特定の運動検証により痛みを知覚する認知中心(center of perception:CP)と治療が施される協調中心(center of coodination :CC)を有すると記載された。→このCCとCPの治療についてFascial Manipulation®Level1の講習会で学びます。
そして2002年筋膜に関する生体力学モデルが拡大し,とより包括的なアプローチの形態となり,分節性・全体性・姿勢製の制御や運動の展開に関与する比較解剖学的研究が盛んに行われた。著書としては「MANIPOLAZIONE DELLA FASCIA」という著書にて記載し,2つの筋膜単位は融合中心(Center of fusion: CF)によって腱器官や支帯,靭帯を通して制御されると記載された。→このCFについてはFascial Manipuation®Level2の講習会で学びます。
そのような書籍は,英語,スペイン語,イタリア語・ポーランド語,ドイツ語,フィンランド語,ポルトガル語,ロシア語,韓国語,中国語簡単字,繁体字などに翻訳され,日本でも「筋膜マニピュレーション 理論編」と「筋膜マニピュレーション 実践編」として翻訳し販売されています。
そして,現在では内部障害系の解剖学や生理学も解明しつつあり,「Fascial Manipulation for Internal Dysfunction 理論編」が日本でも販売されております。そして,2019年に日本で「Fascial Manipulation for Internal Dysfunction実践編」が発売されます。私も翻訳をさせていただいております。とても難解な内容ですが,内部臓器との関連や腸間膜や隔膜の解剖学,精神疾患やリンパそして皮膚や脂肪組織などの治療理論なども記載していますのでとても興味深い内容かと思います。
Fascial Manipulation®に関する論文(抜粋)
・Evaluation of fascial manipulation in carpal tunnel syndrome: a pilot randomized clinical trial.
・RMI study and clinical correlations of ankle retinacula damage and outcomes of ankle sprain.
Fascial Manipulation®で用いる筋・筋膜機能異常に対する治療
Fascial Manipulation®では主に筋・筋膜・膜組織の滑走機能異常による疼痛,可動域制限,筋出力低下などの機能障害や歩行困難,階段昇降困難,日常動作活動制限やスポーツ動作困難などの能力障害の改善を目的とした徒手療法です。長い人生の中でこれまで行なってきた運動パターン(癖)や生活習慣そして不良姿勢,Over use(過用症候群)などによる身体内部の構造的変化により起こった筋筋膜・膜組織の機能異常を対象にします。
Fascial Manipulation®でいう筋・筋膜・膜組織異常とは,筋膜の短縮や萎縮を意味しているのではなく,膜組織の周囲を取り巻く基質の変化を指します。例えば筋筋膜組織の高密度化や基質のゲル化・ヒアルロン酸の凝集化等による体内の物質の変化による組織学的な膜組織の滑走制限,神経・血管絞扼障害を圧力と摩擦による摩擦熱や局所のPH濃度の変化(酸化からアルカリ化)そして,コラーゲン組織の架橋形成などを取り外し,急性期炎症を起こすことによる組織のリモデリングの促すことを治療目的としています。
なぜ筋膜組織なのか?
筋組織の筋挿入部が停止部(骨)が停止腱になるのが筋線維の37%しかないには理由がなければならない。
(Smeulders, 2005)
Thomas Findley,Hans Chaudhry,Antonio Stecco,らは検体の解剖を行なった際に,筋の筋腹などの途中から,筋線維が筋膜組織に停止している線維が多数存在していることを証明した。
〜Fascia research-a narrative review:Journal of Bodywork & Movement Therapies 16:67-75,2012〜
↑こちらの文献に詳しく説明されている。
Fascial Manipulation® Workshopの内容
Fascial Manipulation®(筋膜マニピュレーション®)は現在世界中でWorkshopが開催されています。
Fascial Manipulation®イタリア本国のWebsite(日本語翻訳版)
Fascial Manipulation®は複数のコースに分かれています。
Fascial Manipulation コース一覧
<Fascial Manipulation®コース>
・Fascial Manipulation® Level1(筋骨格系)
・Fascial Manipulation® Level2(筋骨格系)
・Fascial Manipulation® Level3(内部機能障害)
・獣医Fascial Manipulation® Level1(筋骨格系)
・獣医Fascial Manipulation®Level2(筋骨格系)
<Fascial Manipulation®マスタークラス>
・筋骨格系マスタークラス(Level1,2)
・内部機能障害マスタークラス(Level3)
<認定資格>
・Certified Fascial Manipulation® Specialist(CFMS)
日本で開催されているコース概要
日本で開催されているコースはFascial Manipulation®Level1・2・3です。そのコースの内容について紹介します。
<Level1>
主に筋骨格系障害(整形外科疾患)に関する膜組織に対する治療を学びます。正常な筋活動と固有感覚に関して,膜組織の中でも筋組織に最も近い膜である筋外膜組織の治療理論について学びます。矢状面,前額面,水平面に関わる筋膜の配列を6配列学びます。
<Level2>
主に筋骨格系障害(整形外科疾患)に関する膜組織に対する治療を学びます。正常な筋活動と固有感覚に関して,筋肉と筋肉をつなぎ合わせる深筋膜組織(筋膜腱膜)について学びます。また,スポーツ動作やADL動作などの協調性運動や複合運動,効率的運動に関わる支帯組織,靭帯組織,関節包組織との関連を学び,また筋膜腱膜組織の配列として筋膜螺旋と筋膜対角線の8配列を学びます。
<Level3>
主に内臓機能障害に対するFascial Manipualation(膜組織に対する治療を学びます。内蔵を支持している張筋構造のバランスを取ることを目的とし,合わせて浅筋膜のFascial Manipulationにより血行と表在神経の滑りを促進し,身体系のホメオスタシス(恒常性)のために基本的なホルモンの生成を促進する浅層のモビライゼーションを学びます。
ココがポイント
最後に‥なぜ書籍だけではなくコースに参加したほうがいいか?
・Fascial Manipulationは問診と動作観察,触診いわゆる評価が重要であり,治療の殆どを占めるため。
・Fascial Manipulationはポイントの決め撃ちの治療ではなく,どの筋膜の配列(筋骨格系で言えば,14本)に機能障害が起こっているのかを評価しなければならず,間違った治療では症状を増悪させるリスクがとても高いこと。
・触診の方法を詳しく教えているため。
・膜,筋膜組織の解剖学,生理学,病理学,バイオメカニクスがより詳しく説明されているため。
実際に札幌でFascial Manipulation(筋膜マニピュレーション)の整体を受けるなら
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株式会社EzoRehaでは、原因不明の痛みや慢性疼痛の問題に対し、積極的に向き合います。
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